プレゼント

 唐突ですが、今日は友人の誕生日でした。それで考えたことは、誕生日にプレゼントとしてあげたい(もらいたい)CDとは何かということ。これは何も、彼氏彼女にあげるんじゃなくて、あなたにとってごく親しく、大切な人という設定にしましょうか。
 そもそも、我々のような若造にとって誕生日というものは、まだまだ毎年待ち遠しく、できればそれが自分とって思い出になれば最高っという感覚の日なので、そんな最高の日のBGMも、それに見合ったモノを用意したいものです。何年か後に、そのCDを手に取った人が、自分の若かった頃を思い出し、しばし思い出に浸れるというのがいいですね。そこで私は次のような選択肢を設けることにしました。
①時代を問わず語り続けられる名盤
②一つのテーマにそったオムニバス
③その年に一番売れたいわゆるヒット曲

 まず①ですが、名盤というものは、世代を超越した普遍的な魅力があることは皆さんご存知のとおりです。その中には珠玉の名曲があり、必ずといっていいほど聞く人を魅了してくれます。又、名曲の影に隠れた佳曲というのも名盤には多く収録されているので、その人が一人のアーティストに対して特別な感情を抱いてくれるきっかけにもなりえます。しかし、気に入ってもれえなければ元も子もありません。
 次に②です。オムニバスは名盤の中の名曲を、一つのテーマにそって集め、一枚のCDにしているわけですから、普通は名盤よりも即効性の強いものです。ひと昔前までは、レーベル間の垣根が高く、たとえば80年代のベスト的オムニバスを作るにしても、全てのアーティストを網羅したものは作れないというのが常でしたが、最近ではそんなこともなく、よりテーマにそって正確で忠実なオムニバスが手に入るようになりました。しかし、これにも問題はあります。①のときのような好みの問題は多少避けられるにしても、オムニバスには純粋によい曲が収録されるので、アーティスト一人一人の個性(よいところ)を聞く側が見つけることができず、結局アーティストが愛されないという事態がしばしば起こります。
 残るは③ですが、これは一番当たり障りがない選択肢といえます。その年に一番ヒットした誰もが知っている曲というのは、普通に考えれば、ある年の誕生日の記念品としてごく自然なものです。①や②に見られるような世代のずれもなく、青春時代の映し鏡的存在として、愛されることでしょう。但し、その年にそれだけ認知され、愛された曲があればの話ですが。
 このように、誕生日に何かのCDを贈るといっても、この行為は実に我々を悩ませる要素を満載しており、簡単には決められないのが現実です。もちろん、普通にその人が欲しがっていたCDを買ってあげるというのもありでしょうが、どうせプレゼントもらうならば、予想がつかないものの方がワクワクできるでしょう?私もこんなふうに一日考えてみたものの、結局どれが一番最適な選択肢なのか判断できませんでした。もしあなたにもプレゼントにCDを贈る機会があったならば、そのときは大いに悩んでくださいませ。